システム全体の設計や上流工程を担うエンジニアにとって、システムアーキテクト試験(SA)は大きなキャリアの武器になります。特に開発経験を積んだエンジニアが次のステップとして挑戦することで、マネジメント力や要件定義力を客観的に証明できる資格です。ここでは試験概要から難易度、合格のポイント、キャリアへの活かし方まで詳しく解説します。
システムアーキテクト試験とは
試験の位置づけ
システムアーキテクト試験は、IPA(情報処理推進機構)が実施する高度情報処理技術者試験の一つで、上流工程を中心に活躍するエンジニアを対象としています。
- 要件定義
- システム設計
- プロジェクトマネジメント
- 利用者との調整
といった業務に必要なスキルが問われます。
他のIPA試験との違い
- プロジェクトマネージャ試験:進捗やコストの管理が主
- ITストラテジスト試験:経営戦略に基づいたIT企画が主
- システムアーキテクト試験:利用者の要求をもとに最適なシステムを設計するのが主
システム開発経験が豊富なエンジニアに特に適しています。
試験の概要
試験形式
- 午前I:基礎的知識(免除あり)
- 午前II:専門知識(多肢選択式)
- 午後I:記述式(システム設計に関する問題)
- 午後II:論述式(要件定義・アーキテクチャ設計・プロジェクト事例)
出題分野の具体例
- システム方式設計
- 開発プロセス管理
- 性能・セキュリティ設計
- サービスマネジメントとの連携
難易度と合格率
合格率の推移
過去の合格率は 約13〜15%前後。高度情報処理試験の中でも難関とされています。
特に午後IIの論文対策が合否を分けるポイントです。
難易度の特徴
- 広範な知識+実務経験が必要
- 設計思想やプロジェクト事例を具体的に説明できる力が求められる
- 単なる知識暗記では通用しない
合格に向けた学習法
午前試験対策
- 過去問を繰り返し解く(5年分以上)
- 応用情報技術者試験レベルの知識を前提にする
午後I対策
- 過去問の記述練習を必ず行う
- 自分の経験と結びつけて解答できるようにする
午後II(論文)対策
- 自分の経験をベースにシナリオを作成
- 「課題 → 解決策 → 成果」の流れを意識する
- IT技術だけでなく、利用者調整や品質管理の視点も盛り込む
例:
「顧客から性能改善の要望が出た → 性能要件を定義し、クラウド基盤への移行を提案 → スケーラビリティを確保し、運用コストも削減できた」
システムアーキテクト試験のメリット
キャリアアップ
- 上流工程への参画機会が増える
- プロジェクトリーダー、マネージャ候補として評価されやすい
信頼性の証明
- 顧客や上司に「システム全体を設計できる力がある」と示せる
- SESエンジニアとしても、案件単価アップや上流工程へのアサインに直結
他資格との組み合わせ
- プロジェクトマネージャ試験と併せて取得 → マネジメント+設計両面で強み
- AWSやAzureなどのクラウド資格と併用 → 最新のシステム設計にも強い
試験勉強のロードマップ
6か月間の学習モデル
- 1〜2か月目:午前試験対策(過去問演習)
- 3〜4か月目:午後I(記述問題の練習)
- 5〜6か月目:午後II(論文演習、添削を受ける)
学習時間の目安:300〜400時間
まとめ:システムアーキテクト試験は経験者にこそおすすめ
システムアーキテクト試験は、開発経験を積んだエンジニアが次のキャリアへ進むためのステップアップ資格です。難易度は高いですが、その分合格すれば「要件定義やシステム設計に強いエンジニア」として市場価値を大きく高められます。SES案件でも上流工程に関わるチャンスが広がり、将来的なキャリア形成に直結する資格といえるでしょう。




