SREエンジニア(Site Reliability Engineer)は、サービスの安定稼働と開発スピードの両立を担う重要なポジションです。インフラと開発の知識を兼ね備え、システムの信頼性を高めながら自動化や効率化を推進できるエンジニアは、今後も高い需要が続くでしょう。この記事では、SREエンジニアとしてキャリアを形成するために必要なスキルや学習ステップ、キャリアパスについて解説します。
SREエンジニアとは
SREエンジニアは、Googleが提唱した「ソフトウェアエンジニアリングの手法を用いて運用を改善する」役割から広がりました。開発と運用の橋渡しを担い、システムの信頼性・可用性・パフォーマンスを維持しつつ、開発チームと協働してサービスを継続的に改善します。
SREの主な業務
- SLA/SLO/SLIの策定とモニタリング
- 障害対応とポストモーテム分析
- デプロイの自動化とCI/CDパイプライン構築
- キャパシティプランニング
- インフラ監視やアラートチューニング
これらの業務はインフラと開発の両側面を理解しているからこそ可能であり、幅広い知識とスキルが求められます。
SREエンジニアに必要なスキルセット
SREを目指す上で押さえておきたいスキル領域は大きく分けて以下の4つです。
インフラ基盤の知識
- Linuxサーバー運用
- コンテナ(Docker、Kubernetes)
- クラウドサービス(AWS、GCP、Azure)
開発スキル
- Go、Python、Javaなどでのツール開発
- API設計と運用
- 自動化スクリプトの作成
運用・監視スキル
- Prometheus、Grafana などの監視基盤構築
- ログ分析(Elasticsearch、Kibana)
- 障害検知と復旧手順の自動化
ソフトスキル
- チームとの協働
- 障害対応時のコミュニケーション能力
- 課題解決力と改善提案力
キャリア形成のステップ
SREエンジニアになるためのステップを段階的に整理します。
ステップ1:インフラ/運用の基礎経験
まずはインフラエンジニアや運用保守エンジニアとして、サーバーやネットワークの基礎を身につけることが大切です。障害対応の現場経験はSREにとって大きな財産になります。
ステップ2:開発スキルの習得
次に、スクリプトやアプリ開発の経験を積み、インフラ自動化やCI/CDの基盤づくりに取り組みます。開発スキルがあることで「運用を効率化できるエンジニア」へ成長できます。
ステップ3:SREとしての実践
SLO設計や可観測性の強化、Kubernetesクラスタの最適化などを実践し、システム全体の信頼性を高める役割を担います。ここで「安定性と開発スピードを両立できる」エンジニアとして市場価値が高まります。
SREエンジニアのキャリアパス
SREエンジニアとしてキャリアを積んだ後は、さまざまな選択肢があります。
スペシャリストとしての成長
- クラウドネイティブ技術に特化
- セキュリティSRE(SecSRE)への発展
- データ基盤SREとしての専門性強化
マネジメントへの道
- SREチームリーダー
- プロジェクトマネージャー
- 技術戦略を描くアーキテクト
SREエンジニアに向いている人
- 障害対応のプレッシャーに強い
- 新しい技術の導入に積極的
- 開発と運用の両方に興味がある
- チームの中で改善をリードできる
これらの特性を持つ人はSREとして活躍しやすく、キャリアアップの機会も多いでしょう。
まとめ
SREエンジニアは、サービスの安定稼働と改善を同時に推進できる貴重な存在です。インフラと開発の両方に精通するスキルを武器に、キャリアの幅を広げることができます。今後も需要が拡大するSREエンジニアは、挑戦する価値のあるキャリアパスです。




