セキュリティエンジニアに求められるスキルとは
ITサービスが拡大し続ける現代において、セキュリティエンジニアは企業にとって欠かせない存在です。サイバー攻撃の高度化やクラウド利用の増加に伴い、開発経験を持つエンジニアがセキュリティ分野にキャリアを広げる動きも増えています。ここでは、セキュリティエンジニアに必要なスキルを具体的に解説します。
セキュリティエンジニアの役割
セキュリティエンジニアの仕事は、システムやネットワークの脆弱性を見つけ出し、攻撃から守る仕組みを設計・運用することです。
主な業務内容
- ネットワークやアプリケーションの脆弱性診断
- セキュリティ製品(ファイアウォール、IDS/IPSなど)の導入と運用
- ログ監視やインシデント対応
- セキュリティポリシーやガイドラインの策定
- 社内エンジニアや顧客への教育・啓発
セキュリティエンジニアに必要な基礎スキル
ネットワーク知識
TCP/IP、DNS、HTTP/HTTPS、VPNといった基礎プロトコルの理解が必須です。セキュリティは通信の仕組みを理解して初めて正しく守ることができます。
OSとサーバーの知識
LinuxやWindows Serverのセキュリティ設定、アクセス制御、ログ管理の知識が求められます。クラウド環境(AWS、Azure、GCP)における権限管理も必須です。
プログラミングスキル
セキュリティツールの自動化や脆弱性検証のため、Python、Go、C言語、Javaなどの経験が役立ちます。開発経験を持つ人材は、攻撃手法の理解や安全なコーディングに強みを発揮します。
セキュリティエンジニアに求められる専門スキル
暗号技術と認証基盤
公開鍵暗号方式やSSL/TLS、OAuth、SAMLといった仕組みの理解が必要です。特にクラウドサービス利用時はID管理が重要となります。
脆弱性診断とペネトレーションテスト
SQLインジェクションやXSSなどのWeb脆弱性に加え、バイナリ解析やリバースエンジニアリングの知識も活かされます。
セキュリティ運用・監視
SIEMを用いたログ監視、EDRやSOCでのインシデント対応スキルが評価されます。
セキュリティ標準・法規制の理解
ISO27001、NIST、OWASP Top10などの国際標準や、個人情報保護法・GDPRといった法令知識も必要です。
セキュリティエンジニアに活かせる資格
代表的な資格
- 情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)
国家資格として信頼性が高く、キャリアアップに直結します。 - CISSP
国際的に認められた資格で、マネジメント層を目指す場合にも有効です。 - CEH(Certified Ethical Hacker)
攻撃者の視点からセキュリティを学べる実践的な資格です。
セキュリティエンジニアのキャリアパス
セキュリティエンジニアとして経験を積むことで、以下のようなキャリアに進むことができます。
- SOCアナリストやインシデントレスポンダー
- セキュリティアーキテクト
- CSIRTのリーダー
- CISO(最高情報セキュリティ責任者)
開発経験を持つエンジニアは、セキュア開発やDevSecOpsの分野で強みを発揮しやすく、将来的にマネジメント層へのステップアップも可能です。
まとめ
セキュリティエンジニアは、ネットワークやOS、開発の基礎スキルに加えて、脆弱性診断や監視運用、国際規格の理解といった幅広い知識が必要です。特に開発経験を持つエンジニアは、攻撃手法と防御策の両面を理解できるため、強く求められています。
今後さらに需要が拡大する領域であり、スキルを高めることで高収入やキャリアアップを実現できる職種です。




