システムやサービスを安定して稼働させるために欠かせない存在が「運用保守エンジニア」です。開発経験を持つエンジニアにとって、運用・保守の領域はスキルを応用しつつ、キャリアの幅を広げる大きなチャンスとなります。ここでは運用保守エンジニアの仕事内容や役割、求められるスキルについて分かりやすく解説していきます。
運用保守エンジニアとは
システムを安定稼働させる専門職
運用保守エンジニアは、既に開発されたシステムやアプリケーションが止まることなく稼働し続けるように管理・サポートを行う職種です。新規開発よりも「継続性」と「安定性」を重視し、ユーザーに快適な環境を提供します。
「運用」と「保守」の違い
- 運用:システムを日常的に監視・管理し、正しく稼働しているかを確認する業務
- 保守:不具合対応や改善作業、アップデートなどの業務
この2つを組み合わせることで、システムのライフサイクルを長期的に支えることができます。
運用保守エンジニアの主な仕事内容
1. システム監視
24時間365日稼働するシステムの稼働状況を監視します。
例:サーバーのCPU使用率やメモリ消費量をモニタリングし、異常を検知したらアラートを上げる。
2. 障害対応
万が一トラブルが発生した際には、一次切り分けを行い、原因を調査。開発チームやインフラチームと連携して早期復旧を目指します。
3. 定期メンテナンス
OSやミドルウェアのアップデート、セキュリティパッチの適用などを実施。最新の状態に保つことでリスクを最小化します。
4. 改善提案
開発経験を活かして、監視システムの自動化や運用フローの効率化を提案することも可能です。ここでの改善力が、キャリアアップに直結します。
運用保守エンジニアに求められるスキル
インフラ関連の知識
- Linux/Windowsサーバー操作
- ネットワークの基礎(TCP/IP、DNS、HTTPなど)
- クラウドサービス(AWS、Azure、GCP)の運用経験
障害対応力
ログ解析、切り分けスキル、再発防止策の立案が求められます。
自動化・スクリプトスキル
シェルスクリプトやPythonを用いた運用効率化のスキルは高く評価されます。
運用保守エンジニアのやりがい
- システムが安定稼働し、ユーザーのビジネスを支えている実感を得られる
- 開発経験を活かして改善提案ができる
- インフラ、クラウド、セキュリティなど幅広い知識を習得できる
キャリアパスの可能性
運用保守エンジニアとして経験を積むことで、以下のキャリアパスが開けます。
- インフラエンジニア:設計・構築フェーズにキャリアアップ
- クラウドエンジニア:AWSやAzureを駆使した最新環境へ挑戦
- セキュリティエンジニア:サイバー攻撃対策や脆弱性診断の専門領域へ
まとめ(結論)
運用保守エンジニアは、システムを安定して動かす「縁の下の力持ち」として欠かせない存在です。開発経験者にとっては、運用や保守の業務で得られるインフラ知識や改善スキルが大きなキャリア資産となります。将来的にはインフラ、クラウド、セキュリティなどの専門職へ進む道もあり、長期的なキャリア形成に繋がるポジションです。




