家電、車載システム、産業機器など、私たちの生活を支える製品の裏側には「組み込みエンジニア」の存在があります。IoTや自動運転などの発展に伴い、組み込みエンジニアの働き方も多様化し、キャリアの幅は年々広がっています。ここでは、組み込みエンジニアの働き方やキャリアパス、必要なスキルについてわかりやすく解説します。
組み込みエンジニアとは
組み込みエンジニアは、ハードウェア上で動作するソフトウェアを開発する技術者です。
例えば次のような分野があります。
- 自動車:エンジン制御、ADAS、自動運転制御
- 家電製品:洗濯機、冷蔵庫、エアコンの制御ソフト
- 産業機械:工場ロボットや制御システム
- 医療機器:心拍計、画像診断装置
「目に見えないソフトウェア」を作る職種だからこそ、幅広い業界で欠かせない存在です。
組み込みエンジニアの働き方の特徴
開発現場の流れ
組み込みエンジニアの働き方は、一般的なシステム開発と似ていますが、ハードと密接に関わる点が大きな特徴です。
- 要件定義:ハード仕様に合わせたソフト設計を検討
- 設計:リアルタイム処理や省電力化を考慮
- 実装:C/C++を中心にプログラミング
- テスト:シミュレーターや実機で検証
- 評価・改善:不具合対応や性能最適化
働く場所
- メーカーの研究開発部門
- SIerやSESとしての常駐開発
- IoTスタートアップ企業
製品サイクルが長いため、腰を据えて開発に取り組める一方、スピード感のあるPoC開発を担う場合も増えています。
組み込みエンジニアに求められるスキル
プログラミング言語
- C/C++:組み込み開発の王道
- Python:AIやテスト自動化との連携
- Rust:高信頼性が求められる分野で注目
知識分野
- OS(リアルタイムOS、Linux)
- 通信(CAN、Ethernet、Bluetooth)
- ハードウェア知識(マイコン、センサー、半導体)
ソフトスキル
- 問題解決力
- チームでの開発経験
- 品質を意識した設計力
組み込みエンジニアのキャリアパス
専門性を深める
- 車載ソフトウェア開発のスペシャリスト
- セキュリティ・安全規格(ISO26262など)の専門家
マネジメントへ進む
- プロジェクトマネージャー
- 技術リーダー
新領域にチャレンジ
- IoTエンジニア
- AI×組み込み開発
- クラウド連携システム
具体例で見る働き方のイメージ
例1:車載システム開発
- 自動運転アルゴリズムを組み込むチームでC++開発
- 安全規格に沿ったレビューやテストが必須
例2:家電製品の制御開発
- 低消費電力化を目的としたファームウェア設計
- IoT連携を前提にクラウド側のエンジニアとも協業
まとめ
組み込みエンジニアの働き方は、製品分野や開発フェーズによって多様です。
共通して言えるのは「ハードとソフトの両面を理解し、現実世界の動きを制御する役割」を担う点です。
結論として、組み込みエンジニアは今後も需要が高く、キャリアの選択肢も豊富です。
開発経験を活かしてさらにスキルを磨けば、専門職としてもマネジメントとしても大きく成長できるでしょう。




